平日の朝

 鬼嫁猫は朝7時半頃に起きる。

 起きたらすぐに私を起こしにくるが、その起こし方は一般的な猫のようにかわいらしいものではなく、私が起きるまで延々と肩にパンチをし続けるという執拗なものである。パンチをされている間、私の体は横揺れ状態となっているので、船酔いの夢を見ることもしばしばである。

 鬼嫁猫が私を起こす理由はただ一つ、朝ごはんの用意をしろ、ということである。私がなんとか力をふりしぼって起き上がると、鬼嫁猫は、矢継ぎ早に、「梨とパン」、「トマトジュースを温める。プラス(+)チーズ付きパン。りんごも。」などとその日のメニューを宣言し、洗面台に向かう。朝からオレ様猫様である。

 私は仕方がないので、リビングに向かう。そして、冷蔵庫の中から梨やりんごなどを取り出し、パンにチーズをのっけてトースターで焼き、紅茶用に水を沸騰させる。

 沸騰したら鬼嫁猫にドライヤーを使って構わない旨の合図を送る。鬼嫁猫は私の合図にうなずくと、いつになく真剣な眼差しでドライヤーをかけ始める。寝ている間にハネてしまった毛をまっすぐにしているらしい。

 ここまでが一区切りである。