平日の朝 つづき2

 私は、毎朝、NHKのテレビ小説を見ながら、朝ごはんを食べることにしている。

 一方、鬼嫁猫は、早々に朝ごはんを食べ終え、

「もうすぐ洗濯物来るで。」(鬼嫁猫が洗濯機から洗い終えた大量の洗濯物を抱えてきてソファーにぶちまけることの予告。それがなされた後には、私は洗濯物を干さなければならない。)、「ぼおっとテレビ見てたらあかんで。そろそろひげを剃るんや。」(鬼嫁猫にはタイムキーパーとしての自負がある。)、「床拭きプリーズ。鼻がムズムズする。」(鬼嫁猫は視覚よりも嗅覚重視である。)などと次々と指令を繰り出してくる。

 NHKのテレビ小説の放送時間は15分間とそう長くないものであるから、私としては最後まで見終えてから動き出すこととしたいところである。しかし、鬼嫁猫の指令を無視し続けていると、鬼嫁猫は、白目を剥きながら「シー。シー」という謎の音を発し始める。こうなってくるとひどくおそろしいので、やむなくテレビを見るのを切り上げ、洗濯物を干し、床を拭き、朝ごはんの食器を洗い、ゴミを捨てる、といった一連の作業を行うこととしている。これら作業をきちんと行うことによって、シーシー音はだんだんとおさまっていく。

 全作業を終了すると、鬼嫁猫はニターと笑って「えらいで。さすがや。」という。私のことを褒めて伸びるタイプと認識している点は鋭いといわざるをえない。

 ひと通り私の成果が称えられた後、鬼嫁猫は「そろそろ出ないと間に合わない」などとゴニャゴニャいいながら出勤体勢を整えて出かけていく。